キャビネットの豆知識
キャビネットと一言に言ってもその種類は様々で、チャイナキャビネット、ディスプレイキャビネット、骨董キャビネット、ツールキャビネット、そしてジュエリーキャビネットなどがあります。特に服を入れるために作られたものはワードローブ、壁にビルトインされていればクローゼットと呼ばれます。
アンティークのものであれば基本的に木材で作られていますが、時代や土地柄によって使われる木材やデザインにそれぞれ特徴があります。オーセンティックなもの、シンプルなもの、ゴージャスなもの。あなたの好きなデザインはどれでしょうか。どうせなら用途に合わせるだけでなく、デザインや材質にもこだわりたいですよね。
今回は代表的なアンティークデザインの特徴を写真と共にご紹介いたします。
スカンジナビアン
シンプルなデザインで、素材にこだわっています。他のデザインと比べて明らかに装飾が少なく、水平垂直の綺麗な線が特徴のデザインです。
出典 https://www.1stdibs.com/furniture/storage-case-pieces/cabinets/
フレンチ・プロヴィンシャル(フランスの田舎風)
着色やペイントが施された華麗なデザインで、よく角や斜面に金の葉っぱや金箔が施されています。平面には風景画などが直接描かれていることが多いです。使われた木材は様々ですが、元はブナ材がよく使われていました。
出典 https://en.wikipedia.org/wiki/French_furniture
アメリカの初期植民地時代 (Early American Colonial)
形状と素材が特徴的なデザインです。この時期の椅子や机のデザインには紡錘型の脚や蒸気で曲げた木材などが使われていました。多くの家具に落葉性広葉樹が素材として使われ、その中でも特にさくらんぼやクルミの木が使われました。
出典 https://www.1stdibs.com/furniture/storage-case-pieces/cabinets/
ラスティック(素朴なデザイン)
自然な材質を生かすため、仕上げを最小限に抑えたデザインです。丸太、枝、樹皮をそのままデザインとして活用する場合もあります。マツ、スギ、もみの木がよく使われています。
出典 https://www.1stdibs.com/furniture/asian-art-furniture/furniture/
ミッションスタイル
いぶして褐色させた白オークを基本材料にし、平たい板や水平垂直の線などでデザインを施すスタイルです。20世紀、アーツ・アンド・クラフツ運動やアールヌーボーなどにより人気が出ました。黒い鉄が飾りとしてよく使われます。
出典 https://www.rubylane.com/item/332834-H-21171/
オリエンタル
アジアらしい竹や赤をモチーフに、風景やアジアの言語があしらわれていることが多いです。
出典 https://www.1stdibs.com/furniture/storage-case-pieces/cabinets/
シェイカー
機能や均整に重点が置かれ、フルーツの木のデザインが施されていたりします。これらのデザインは平和主義のシェイカー教のコミュニティーから生まれました。
出典 http://www.finewoodworking.com/woodworking-plans/
いかがでしたか。キャビネットには用途や土地によってさまざまなデザインがなされてきました。それぞれに職人のこだわりがあり、さらに時代背景も知ることによってさらにキャビネット選びを楽しめるようになります。
これらの特徴を参考に、是非みなさんのお気に入りを見つけてください。