ビューローの豆知識
ライティングビューローは、デスクの機能と収納が合わさった家具です。
世の中には数十種類もの用途別のデスクが存在しています。
1440年頃の絵の中に、傾斜のある机で執筆を行う姿が確認されていますが、実はルネッサンスで複製技術が確立されるまでは、原本や書類の複製を仕事とする読み書き両方ができる人は少なかったようです。
後の16世紀頃にも発達した複製技術に相反してライターという仕事はまだまだマイナーなお仕事でした。
しかし、ドイツのルネッサンス(文芸復興)と共にデスクは17世紀後半に転換期を迎えます。
このころ、ライティングテーブルが広く普及しました。それらには数々の隠れ引き出しが作り込まれ、大事な情報を隠すのに最適でした。
聖書を入れるためのバイブルボックスというものがチェストから派生し、これがライティングテーブルの祖先といえるようです。
ここからビューローが時代と共に変化していきます。
それぞれ異なったスタイルを順番に見ていきましょう。
ビューロー・マザラン
17世紀フランス王国の政治家・枢機卿(すうききょう:カトリック教会における教皇の最高顧問のこと。)であったジュール・マザラン由来のビューロー・マザランというものが登場しました。
8本足と豪華で重厚なバロックスタイルの装飾が特長です。
出典 http://www.torkild.com/Archief/Archive-A019-Bureau-Mazarin.html
ビューロー・プラット
こちらはロココ調のビューロー・プラットです。文字通り平たい机です。食卓のような見た目で、細く湾曲した足やフラットな引き出しがよく見られます。
出典 https://en.wikipedia.org/wiki/Writing_table
装飾は可憐ですが、フォルムは現代の用途にも適したよりミニマルなスタイルですね。
ビューローデスク
出典 http://www.antiques-atlas.com
ウィリアム3世とメアリー2世の時代にたいへん人気になりました。
事務的要素で使うことを前提としているため、機能的でコンサバなデザインが多いです。
だからこそ、ちょっとした彫刻や素材の美しさにセンスが感じられます。
傾斜のある上部の板は開くことで机にもなり、中には文房具や書類を収納するための区切られた機能的なスペースがあります。
下段には大きな引き出しが装備されており、多くのものを収納しつつもスッキリとおしゃれに見せてくれます。
奥行きの浅いタイプ
細身で奥行きの浅いタイプもあります。ちょっとした作業やノートパソコンでの作業にぴったりです。
下段は棚になっており、ディスプレイが楽しめそうな一品です。
すっきりした足元のタイプ
足元のすっきりとしたライティングビューローです。
両足の付け根には魔除けの獣の顔が彫られています。両足は獣の足のデザインです。
非常にクオリティーが高く、神秘的で芸術的な魅力が光る一品です。
キャビネットタイプ
キャビネットタイプのビューローもあります。収納力が高く、まっすぐなフォルムがお部屋をすっきり見せてくれます。
下段には服を収納して、上段にはアクセサリーや化粧品などを収納してもよさそうです。
簡単な書物をするのにも便利ですが、こちらは身支度をする時に一役買ってくれそうです。
想像力をかきたてる扉の向こうの仕組み
こちらのビューローデスクの中身は工夫がいっぱいです。
左の枠にはカードを入れることができ、右側の枠には写真を飾ることができます。それに加え小物入れにペン置き、インク壷置きまであります。
小さい区切は取り外しができるものもあり、ポストカードやメモ、お気に入りのノートを綺麗に収納できます。
これは収納が楽しくなるばかりでなく、創造的な気分にさせてくれますね。
ちょっとした絵を描いてみたり、宿題をしてみたり、読書をしたり、詩を書いてみたり、、いろんな使い方ができますね。
ビューローTips
イギリス製のものとフランス製のものが主流ですが、これらには機能的な違いがあります。
イギリス製の扉には自動で支えが出てくる場合が多いのですが、フランス製のものには扉を開ける前に手動で支えを引き出さないといけない場合のものがあったりします。
どのみち勢いよく開けるのは危ないので、ゆっくりと余裕を持って開けてみましょう。
まとめ
お好みのタイプはございましたか?みなさんはどのような使い方をしたいですか?
ビューローにはたくさんの機能がありますが、魅力はそればかりではなく足のデザイン、フォルム、彫刻、素材や色や木目など、、それぞれに特徴的な美しさがあります。
是非実際に見て魅力を感じてください。細かい情報やお手入れの方法は是非スタッフに聞いてみてください。