デスクの豆知識
小学校に上がると立派な学習机を両親や祖父母に買ってもらったという思い出がある方も多いと思います。
家だけでなく学校、そして大人になってからはオフィスでも、常にデスクを使用している人は多いですよね。
現代では機能的でモダンな机が溢れていますが、昔から愛されてきたデスクというのもぬくもりが感じられて魅力的です。
今回はそんなデスクの起源や種類についてご紹介します。
デスクの起源
15世紀までは、読み書きはもちろん本を所有すること自体も一般市民にとっては縁遠いことで、デスクというものも存在しませんでした。
15世紀になってまず、本が見やすい様に最上部が緩やかにカーブし、そこに本が置けるタイプの引き出しが出てきました。これは教会の神父や、書物の複製を生業としていた人たちに愛されました。
のちにその引き出し自体が大きくなり、最上部の板が開いて中に文具などのこまごましたようなものをしまうことができる形になっていき、ライティングビューローという物書き用のデスクが生まれていきました。
デスクはそこから、天板がフラットになり片袖、または両袖に引き出したついた現在のデスクに近い形のものに徐々に進化を遂げていきます。
今回はそんなデスクを時代ごと、形ごとに見ていきましょう。
ライティングデスク
出典 https://www.onekingslane.com/
現代のデスクの祖先と言われるのは、15世紀ごろより人気となったシンプルなボックスの「バイブルボックス」と言われるチェストです。
この中には家族の大事な書類や聖書をしまっておける、金庫のような役割をするものでした。
アン女王時代のデスク
16世紀初頭、イギリスではアン女王が即位しましたが、この頃はイギリスの豪華で品のあるマナーハウス向けに家具が作られました。
この時代のスタイルは19世紀から20世紀初頭にも再び流行るほど人気のスタイルです。
その中の一つがシンプルでありながらチャーミングなスタイルのビューローデスクです。
シンプルなスタイルにカブリオールレッグ(獣脚)がアクセントになっています。
この頃には、膝を入れて座れるようにニーホールがついています。
セクレタリーデスク(トールデスク)
読み書きが普及し出した18世紀に入ると、ライティングデスクに書棚が付いた形の背の高いデスクが誕生してきました。
セクレタリーデスク(ローデスク)
ローセクレタリー(low secretary)と呼ばれる背の低いタイプのデスクも登場しました。このタイプは18世紀中ごろのヴィクトリア女王時代に特に人気となりました。
このタイプが進化し、近代ではレディースデスクとしてコンパクトで華奢な可愛らしいデスクとなっています。
ロココ調のネコ脚デスク
フランスでは、デスクの両サイドにキャビネットタイプの机が付き、真ん中に足を入れられるニーホールが付いたタイプのニーホールデスクが流行りました。
このタイプもヴィクトリア時代にとても人気となり、のちにキャビネットが片側だけになった片袖タイプや、デスク上部がロールタイプの扉で開閉できるロールトップタイプのデスクへと進化していきました。
現在、オフィス納屋学習机として一般的な形になっているデスクは、このロココ調のニーホールデスクから進化したものなのですね。
スクールデスク
現在、子供たちが学校で使っているような個別タイプの机は、19世紀ごろより「子供たちが長時間座っていられるような快適性と機能性を重視したものが作られ始めました。
古い映画などで目にしたことがある人も多いと思いますが、欧米の机は、上部が開いて中に教科書などをしまうことができるスタイルです。
これもライティングデスクからの形を継承していますね。
まとめ
いかがでしたか?
私たちのあまりにも身近な存在のデスクですが、読み書き能力や印刷技術の発達に応じて必要性が高まったため、テーブルなどに比べるとその起源はは遅いものです。
それでも、時代ごとに大きさや形、装飾が異なり、デスクを見るだけで当時の様子が思い浮かべられます。
現代の量販品にはないあたたかみと木本来のぬくもりが感じられるアンティーク家具。ご自宅やオフィスでの読書やお仕事のお供にいかがですか。